能力を失った聖女は用済みですか?
「ラシッド殿。一度国に帰り国王と話し合ってはどうだ?まぁ、こちらの意向は変わらないが……」
「話し合い……?そんなものが出来れば苦労しない!」
ラシッドが突然、噛みつくように返してきた。
こんなにも攻撃的になる王子を、私は知らない。
のほほんとしたお坊ちゃんで、怒っているのすら見たことがなかった。
「どうしたんだ?声を荒らげるようなことか?」
「……」
また黙ってしまったラシッドに、今度は私が問いかけた。
「王子。ロランで何かありましたか?」
すると、縋るようにこちらを見ながらラシッドが訥々と言った。
「……父上は……以前の父でないようだ……」
「どういう意味ですか?陛下に何か?」
「……君が去ってから、新しく聖女を召喚しようとしたけど、全て失敗した」
「ええ、それは……聞きました」
アッサラームのシャル殿下とカイエンの話を盗み聞きしましたからね。
「話し合い……?そんなものが出来れば苦労しない!」
ラシッドが突然、噛みつくように返してきた。
こんなにも攻撃的になる王子を、私は知らない。
のほほんとしたお坊ちゃんで、怒っているのすら見たことがなかった。
「どうしたんだ?声を荒らげるようなことか?」
「……」
また黙ってしまったラシッドに、今度は私が問いかけた。
「王子。ロランで何かありましたか?」
すると、縋るようにこちらを見ながらラシッドが訥々と言った。
「……父上は……以前の父でないようだ……」
「どういう意味ですか?陛下に何か?」
「……君が去ってから、新しく聖女を召喚しようとしたけど、全て失敗した」
「ええ、それは……聞きました」
アッサラームのシャル殿下とカイエンの話を盗み聞きしましたからね。