能力を失った聖女は用済みですか?
当のカイエンは、その視線を煩わしそうにかわし、すかさず本題を切り出した。
「シャル、それよりも、ロランの現在の情報だ」
「ああ、はい、叔父上。どうやらロランはかなり酷い状況のようですね」
「やはり、そうか?」
「ええ。シャンバラの干ばつと同程度の被害が出ています。その上、国王が何の動きも見せないので、状況は悪化するばかり……」
「ラシッドの言うことは本当だったか。しかし、それならば王子か重臣が指揮を取っても良いのではないか?」
……それもそうだ。
でもラシッドが、カイエン並みのリーダーシップを発揮できるとは、どうしても思えない。
私が眉根を寄せるのを見て、カイエンも自分が言ったことを否定した。
「……無理だな。少なくともあの王子には……」
「ラシッド王子ですか。あまり評判はよろしくないですね……」
シャルは困ったような顔をした。
一応私のいた国の王子だから、言葉を選んだのだろうか?
そんな気遣いは全くないことを伝えたい。
私もラシッドは『よろしくない』と思っているから。
「シャル、それよりも、ロランの現在の情報だ」
「ああ、はい、叔父上。どうやらロランはかなり酷い状況のようですね」
「やはり、そうか?」
「ええ。シャンバラの干ばつと同程度の被害が出ています。その上、国王が何の動きも見せないので、状況は悪化するばかり……」
「ラシッドの言うことは本当だったか。しかし、それならば王子か重臣が指揮を取っても良いのではないか?」
……それもそうだ。
でもラシッドが、カイエン並みのリーダーシップを発揮できるとは、どうしても思えない。
私が眉根を寄せるのを見て、カイエンも自分が言ったことを否定した。
「……無理だな。少なくともあの王子には……」
「ラシッド王子ですか。あまり評判はよろしくないですね……」
シャルは困ったような顔をした。
一応私のいた国の王子だから、言葉を選んだのだろうか?
そんな気遣いは全くないことを伝えたい。
私もラシッドは『よろしくない』と思っているから。