能力を失った聖女は用済みですか?
「大臣や重臣はどうなのだ?あれだけ豊かな国だ、人材は豊富だったろう?」
「……あー。それがですねぇ……」
シャルは更に困った顔をして言った。
「国王を諌めた重臣達は追放されたらしいのです」
「はぁ!?まさか……国王に追放されたのか?」
「はい。彼らは今、親類や友人を頼って他国へと移り住んでいます」
「……正しいことを言う者を自ら遠ざけるとは……」
カイエンは深く息を吐いた。
内乱で多くの人材を失ったシャンバラにしてみれば、考えられないことなのだろう。
国にとって、一番の宝は人だと知っているカイエンは、あからさまに不快な顔をしている。
「……まぁ、それはさておき。シャル、国王の側室アイーシャなるものについてはどうだ?」
「ええ、それについても少し気になることを聞きました」
シャルはアミードに地図を広げさせた。
それは大陸全土の地図で、中央にアッサラーム、斜め上にシャンバラ、その隣にロランが位置している。
地図の北(上)の方にはヤマトマとスーリヤがあり、シャルはその辺りを指し話を始めた。
「スーリヤの上は今平原になっていますが、ここには100年程前、ニーベルン皇国がありました……ルナさん以外は知っていますよね?」
カイエン、シスル、アミードが頷いた。
「このニーベルンの滅亡の過程とロランの現況がとても良く似ていると……スーリヤの国王が気にしていたというのです」
「スーリヤの国王が?」
「はい。国王が言うには、昔、ニーベルンが滅んだ時、スーリヤに多くの難民が来たそうです。その難民……ニーベルンの生き残りが住む集落では、ある昔話が残っているのだとか……」
「……あー。それがですねぇ……」
シャルは更に困った顔をして言った。
「国王を諌めた重臣達は追放されたらしいのです」
「はぁ!?まさか……国王に追放されたのか?」
「はい。彼らは今、親類や友人を頼って他国へと移り住んでいます」
「……正しいことを言う者を自ら遠ざけるとは……」
カイエンは深く息を吐いた。
内乱で多くの人材を失ったシャンバラにしてみれば、考えられないことなのだろう。
国にとって、一番の宝は人だと知っているカイエンは、あからさまに不快な顔をしている。
「……まぁ、それはさておき。シャル、国王の側室アイーシャなるものについてはどうだ?」
「ええ、それについても少し気になることを聞きました」
シャルはアミードに地図を広げさせた。
それは大陸全土の地図で、中央にアッサラーム、斜め上にシャンバラ、その隣にロランが位置している。
地図の北(上)の方にはヤマトマとスーリヤがあり、シャルはその辺りを指し話を始めた。
「スーリヤの上は今平原になっていますが、ここには100年程前、ニーベルン皇国がありました……ルナさん以外は知っていますよね?」
カイエン、シスル、アミードが頷いた。
「このニーベルンの滅亡の過程とロランの現況がとても良く似ていると……スーリヤの国王が気にしていたというのです」
「スーリヤの国王が?」
「はい。国王が言うには、昔、ニーベルンが滅んだ時、スーリヤに多くの難民が来たそうです。その難民……ニーベルンの生き残りが住む集落では、ある昔話が残っているのだとか……」