能力を失った聖女は用済みですか?
だけど、この昔話には気になる点があった。
まず、登場人物に知ってる名前が出てきたこと。
「アイーシャ」だ。
でも、100年前の踊り子とロランの側室が、同一人物のはずがない。
人間は100年も生きられないし、ただの偶然だとする方が自然である。
「ニーベルンでもアイーシャという名前が出てきたな。ロランの側室と同じなのは気になるが……」
カイエンは呟き、考え込んだ。
恐らく、彼も私と同じ結論に達したのだと思う。
同一人物とするならば「アイーシャ」は人ではない何か……となってしまうのだ。
『同じじゃぞ?』
突然、後ろから偉そうな声が聞こえてきて、私は急いで振り返った。
そこには、地母神ガラティアがふわふわと浮いていて、眉根を寄せて腕を組んでいた。
「ガラティア様っ?い、一体、どうしました!?」
と言ったのも、ガラティアと会うのは久しぶりだったからである。
シャンバラで奇跡が起きたその夜、催された宴の途中で忽然と姿を消してから今まで、全く音沙汰がなかったのだ。
『言うたじゃろ?妾、精霊達から相談を受けておると』
「……あ、ああ、ロランに入れないという……あれですか?」
『そう、あれじゃ!その件でな、少しばかり調べておったのだ』
「そうなんですか!?それでどうでし……」
そこまで言って、周りの視線がこちらに集中しているのに気がついた。
ガラティアの存在を知っているカイエンとシスルとアミードは、私を不思議そうに見ている。
だけど、何も知らないシャルの顔は、とんでもなくひきつっていた。
空を見つめ一人で喋る私は、常軌を逸していたのだろうか……。
ここはちゃんと説明して、おかしくなったんじゃないよ?と言い訳しておこう。
まず、登場人物に知ってる名前が出てきたこと。
「アイーシャ」だ。
でも、100年前の踊り子とロランの側室が、同一人物のはずがない。
人間は100年も生きられないし、ただの偶然だとする方が自然である。
「ニーベルンでもアイーシャという名前が出てきたな。ロランの側室と同じなのは気になるが……」
カイエンは呟き、考え込んだ。
恐らく、彼も私と同じ結論に達したのだと思う。
同一人物とするならば「アイーシャ」は人ではない何か……となってしまうのだ。
『同じじゃぞ?』
突然、後ろから偉そうな声が聞こえてきて、私は急いで振り返った。
そこには、地母神ガラティアがふわふわと浮いていて、眉根を寄せて腕を組んでいた。
「ガラティア様っ?い、一体、どうしました!?」
と言ったのも、ガラティアと会うのは久しぶりだったからである。
シャンバラで奇跡が起きたその夜、催された宴の途中で忽然と姿を消してから今まで、全く音沙汰がなかったのだ。
『言うたじゃろ?妾、精霊達から相談を受けておると』
「……あ、ああ、ロランに入れないという……あれですか?」
『そう、あれじゃ!その件でな、少しばかり調べておったのだ』
「そうなんですか!?それでどうでし……」
そこまで言って、周りの視線がこちらに集中しているのに気がついた。
ガラティアの存在を知っているカイエンとシスルとアミードは、私を不思議そうに見ている。
だけど、何も知らないシャルの顔は、とんでもなくひきつっていた。
空を見つめ一人で喋る私は、常軌を逸していたのだろうか……。
ここはちゃんと説明して、おかしくなったんじゃないよ?と言い訳しておこう。