能力を失った聖女は用済みですか?
「えーっと、シャル殿下?実は私の後ろに地母神ガラティア様がいらっしゃいます。シャンバラを復興させてくれたものすごい神様なのです」

「ガラティア……様?地母神が……そこにいるのですか?」

シャルは視線を彷徨わせる。

「私にしか見えなくて、声も聞こえないんですけど、本当にいますから!」

決して頭がどうかした訳じゃないのです。
信じてください!
そう心を込めて言うと、シャルはあっさり納得した。

「そうですか。なるほど。ではガラティア様にもご意見をお聞きしましょう」

少し拍子抜け……である。
でもシャルが、素直で淡白なお陰で随分時間が短縮出来ている。

「……そ、そうですね。話の続きをしましょう……ガラティア様、結局精霊がロランに入れないのはどうしてだったんですか?」

私はまた振り向いた。
ガラティアは自分の存在が皆に認められたと知ると、ふんぞり返って瞳を輝かせた。

『それよ。さっき話に出たろう?アイーシャじゃ。すべて奴のせいなのだ。ニーベルンを滅ぼしたのも、ロランを滅ぼそうとしているのも、な』

「……アイーシャは……ひょっとして人間ではないのですか?」

『うむ。邪神じゃ』

「邪神!?」

私が叫ぶと、カイエン達が身を乗り出した。
彼らにはガラティアの言葉は聞こえないけど、やり取りの中で、内容を聞き取っていたのだ。
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