能力を失った聖女は用済みですか?
「……それだ!シャンバラが救われたように、きっとロランも救うことが出来るな!」

カイエンは全面的に私の意見に賛成してくれた。
シャルもシスルも力強く頷き微笑んでいる。
が、しかし。
少しズレた発言をした者がいた。

「シャンバラのイモが国を救う……そんな噂が広がればもっと儲かりますね」

『シャンバライモの御利益が噂になれば、妾の権能も爆上がりじゃな?』

強欲な商人アミードはヒヒヒと笑い、地母神ガラティアはクフフとほくそえむ。
まぁ確かにそうなんだけど、口に出して言う必要はないと思う。
駄々もれの感情は、どうぞ心の中に納めて下さい……。

「……とにかく。やることは決まった。後は手早く遂行するのみだ!アミード!ロランへ運ぶルナシータはどのくらいで用意出来る?」

「国民全員となると……5日はかかるかと……ルナさん、行けそうですか?」

「うーん。集落から配達されてくるイモを1便から2便にして貰えたら用意出来そうですね。後はもう少し人手が……」

製造所では沢山の人が働いてくれているけど、短期に大量生産となると、臨時で人員を補充しないと無理だ。
ブラック企業じゃないので、24時間は働けません!
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