能力を失った聖女は用済みですか?
「そうか。シャル、至急アッサラームから人を借りれるか?」
「もちろんです。すぐに手配しましょう。急げば明日にはシャンバラに着くはずです」
「良しっ!では至急準備に取り掛かる!ロランのためには、早ければ早い方がいいからな!」
カイエンの言葉を受けて、シャルはすぐに身を翻し、アッサラームへと立つ準備をした。
シスルは各集落の集配部隊増設のため、兵舎へと駆け出していき、アミードはすぐさま、かかる時間と人員の概算をしている。
そうすると……私の急務は、ルナシータ製造所での全員のシフト調整だろう。
製造所長として、仕事が偏らないように、上手く割り振って行かなければならない。
アッサラームからの臨時応援の人を効率良く使うには、各セクションのリーダーで会議をする必要がありそうだ。
「カイエン様。私、今から製造所へ行って皆と話を詰めますね」
「ああ、頼む。いきなりで皆大変だろうがルナならば、纏められるだろう」
「……いや、あ、はい。ガンバリマス……」
そんなに屈託のない笑顔で言われるとちょっと照れる。
信頼されている、のかな?
戸惑っていると、私の肩にふわりと乗ったガラティアが余計なことを言った。
『この初々しい感じ……何やらむず痒いぞえ。ひょっとして、あれか?恋とか言うやつか!?』
「ちょっ!違います!違いますったら!」
「何が違うんだ?」
今度はカイエンが変な顔でこちらを見る。
「い、いえ?何も違いませんよ?」
『ほほぅ、やはり恋か』
「……」
これはもう、無言で退場した方が良さそうだ、と私は微笑みを張り付けたまま、カイエンの部屋から出た。
その間も、頭上にいた地母神は『恋、恋、コーイ!』と楽しそうな歌を歌っておりましたとさ……。
「もちろんです。すぐに手配しましょう。急げば明日にはシャンバラに着くはずです」
「良しっ!では至急準備に取り掛かる!ロランのためには、早ければ早い方がいいからな!」
カイエンの言葉を受けて、シャルはすぐに身を翻し、アッサラームへと立つ準備をした。
シスルは各集落の集配部隊増設のため、兵舎へと駆け出していき、アミードはすぐさま、かかる時間と人員の概算をしている。
そうすると……私の急務は、ルナシータ製造所での全員のシフト調整だろう。
製造所長として、仕事が偏らないように、上手く割り振って行かなければならない。
アッサラームからの臨時応援の人を効率良く使うには、各セクションのリーダーで会議をする必要がありそうだ。
「カイエン様。私、今から製造所へ行って皆と話を詰めますね」
「ああ、頼む。いきなりで皆大変だろうがルナならば、纏められるだろう」
「……いや、あ、はい。ガンバリマス……」
そんなに屈託のない笑顔で言われるとちょっと照れる。
信頼されている、のかな?
戸惑っていると、私の肩にふわりと乗ったガラティアが余計なことを言った。
『この初々しい感じ……何やらむず痒いぞえ。ひょっとして、あれか?恋とか言うやつか!?』
「ちょっ!違います!違いますったら!」
「何が違うんだ?」
今度はカイエンが変な顔でこちらを見る。
「い、いえ?何も違いませんよ?」
『ほほぅ、やはり恋か』
「……」
これはもう、無言で退場した方が良さそうだ、と私は微笑みを張り付けたまま、カイエンの部屋から出た。
その間も、頭上にいた地母神は『恋、恋、コーイ!』と楽しそうな歌を歌っておりましたとさ……。