能力を失った聖女は用済みですか?
「ルナねぇさま。どうしてそんなこと聞くの?」

「え?どうしてって……」

「困ってる人を助けるのは、当たり前のことよね?そうでしょう?」

シータがリーダー達を見ると、皆が同じ表情で微笑んでいる。

「そうだよ。手を差し伸べるべきだ」

「可哀想に。早く助けてあげましょう!」

「飢えが辛いのは、わたしらが一番良くわかっているからね。何とかしないと」

そう口々に言う彼らに、私は自分が少し恥ずかしくなっていた。
どうしてシャンバラの人達が、ロランを助けるのに反対するなんて考えたのだろう。
そんな人達じゃないのは、良くわかっていたはずなのに……。

「じゃあ、皆さん。全員賛成ということでいいですか?」

再確認すると全員がコクンと頷いた。

「それでは次にアッサラームからやって来る人員の配置について……」

すんなりと本題に入ると、私達は仕事の話をした。
どの部署にどれだけの人が必要かとか、円滑に仕事を進めるには何時間交代にすれば良いか……とか。
熱い議論は2時間ほど続き、方針が固まったところで終了した。
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