能力を失った聖女は用済みですか?
アミードの概算通り、会議から五日後には、大量のルナシータが出来上がった。
それを可能にしたのは、アッサラームからの100人の応援である。
やってきた彼らは、働き盛りの若手ばかり。
城の近衛を勤める人や兵士が多くとても優秀であったため、すぐに仕事を覚えて即戦力になってくれた。
そんな訳で、ルナシータに関しては、何の問題もなく生産出来たのだけど。
問題は別のところで発生したのだ。
ルナシータの見通しがたち、いよいよ出発メンバーを決めようと王の部屋に集まった私とシスルとアミード。
その前で、開口一番カイエンはこう言った。
「オレが行く!」
「カイエン様。仮にも一国の王が、何の通達もなくホイホイと他国へと行くものではないと思いますが」
冷静にシスルが言うと、負けじとカイエンが返す。
「一国の王だからこそだ。邪神による大陸の危機に、オレが行かずに誰が行くのだ?」
「大陸の危機というよりも、カイエン様は他の心配をしてるだけでしょう?」
「……そ、それは、どうでもいい!とにかくロランへ行くのはオレとイズールの小隊。後はルナとシータ。シスルは残ってアッサラームや他国と連携を取れ」
カイエンは王様の強権を発動して、ゴリ押しでメンバーを決定した。
シスルが深くため息をついて見た先には、興味深そうに微笑むアミードがいる。
正直言って、私もシスルと同じく、王様が自ら行くなんて思いもよらず、カイエンは居残りだと思っていた。
だけどよくよく考えたら、ここは大陸一、王様らしくない王様の国である。
王は職業、更には苦情処理係だと言うカイエンなら、このフットワークの軽さも当たり前かもしれない。
大人しく待っているわけはないわよねぇ……。
「全く……言い出したら聞かない方だ。議論も時間の無駄でしょうね……わかりました。シャンバラのことはおまかせを。でも、無事に帰ってきて下さいよ?」
それを可能にしたのは、アッサラームからの100人の応援である。
やってきた彼らは、働き盛りの若手ばかり。
城の近衛を勤める人や兵士が多くとても優秀であったため、すぐに仕事を覚えて即戦力になってくれた。
そんな訳で、ルナシータに関しては、何の問題もなく生産出来たのだけど。
問題は別のところで発生したのだ。
ルナシータの見通しがたち、いよいよ出発メンバーを決めようと王の部屋に集まった私とシスルとアミード。
その前で、開口一番カイエンはこう言った。
「オレが行く!」
「カイエン様。仮にも一国の王が、何の通達もなくホイホイと他国へと行くものではないと思いますが」
冷静にシスルが言うと、負けじとカイエンが返す。
「一国の王だからこそだ。邪神による大陸の危機に、オレが行かずに誰が行くのだ?」
「大陸の危機というよりも、カイエン様は他の心配をしてるだけでしょう?」
「……そ、それは、どうでもいい!とにかくロランへ行くのはオレとイズールの小隊。後はルナとシータ。シスルは残ってアッサラームや他国と連携を取れ」
カイエンは王様の強権を発動して、ゴリ押しでメンバーを決定した。
シスルが深くため息をついて見た先には、興味深そうに微笑むアミードがいる。
正直言って、私もシスルと同じく、王様が自ら行くなんて思いもよらず、カイエンは居残りだと思っていた。
だけどよくよく考えたら、ここは大陸一、王様らしくない王様の国である。
王は職業、更には苦情処理係だと言うカイエンなら、このフットワークの軽さも当たり前かもしれない。
大人しく待っているわけはないわよねぇ……。
「全く……言い出したら聞かない方だ。議論も時間の無駄でしょうね……わかりました。シャンバラのことはおまかせを。でも、無事に帰ってきて下さいよ?」