能力を失った聖女は用済みですか?
変に納得してしまった私は、会話の内容をカイエンに伝えた。
「一月で修復出来るとは……さすがガラティア様だ」
シャンバラ王の誉め殺しに、地母神は小躍りした。
これは、人たらしの称号に神たらしも加えなくてはなるまいか?
「聖女よ……いや、ルナよ。そなた、力が戻ったのだな……」
見えないものと話す私を見て、ロラン王が言った。
「あ、いえ、力は元々失くなってはいなかったんです。邪神の結界で精霊が入って来れなかっただけで……」
「ああ……そうであったか……そうであったのか……私は、本当に至らぬな……すまなかった……」
王は深々と頭を下げた。
弱々しく震える肩は、心からの懺悔のようで……。
追い出された日に心に負った傷が、その懺悔でゆっくりと塞がれていく気がした。
「陛下……もういいです。私、シャンバラで居場所を見つけましたから。大切な家族を」
「家族か……カイエン王のことだな?」
「はい!そして、シャンバラに住む人達みんなが、私の大切な家族です!」
言いきると、ロラン王は今日初めて目尻を下げた。
それは、昔見た柔らかな笑顔。
王妃様が居た時にいつも見せてくれていた優しい顔だ。
「一月で修復出来るとは……さすがガラティア様だ」
シャンバラ王の誉め殺しに、地母神は小躍りした。
これは、人たらしの称号に神たらしも加えなくてはなるまいか?
「聖女よ……いや、ルナよ。そなた、力が戻ったのだな……」
見えないものと話す私を見て、ロラン王が言った。
「あ、いえ、力は元々失くなってはいなかったんです。邪神の結界で精霊が入って来れなかっただけで……」
「ああ……そうであったか……そうであったのか……私は、本当に至らぬな……すまなかった……」
王は深々と頭を下げた。
弱々しく震える肩は、心からの懺悔のようで……。
追い出された日に心に負った傷が、その懺悔でゆっくりと塞がれていく気がした。
「陛下……もういいです。私、シャンバラで居場所を見つけましたから。大切な家族を」
「家族か……カイエン王のことだな?」
「はい!そして、シャンバラに住む人達みんなが、私の大切な家族です!」
言いきると、ロラン王は今日初めて目尻を下げた。
それは、昔見た柔らかな笑顔。
王妃様が居た時にいつも見せてくれていた優しい顔だ。