能力を失った聖女は用済みですか?
「製造所も今日はお昼までなので、その後みんなで落成式に行くらしいですよ?」
「お祭りだからな。出店も多いから楽しめると思うよ。オレ達はそうもいかないが」
「ええ。来賓が多いですから……」
この落成式には、アッサラームを筆頭に他国からのお客様が沢山来る。
王族や大臣、各国の使者などが参加するのだけど、彼らの接待をカイエンとともに行うことになっていた。
「悪いな。いろいろ忙しいのに手伝わせて……」
「いえいえ。全然平気ですよ?賑やかなのは楽しいですし、忙しいのも好きですから」
私は微笑んで見せた。
王妃として、共に来賓の応対を……と、申し訳なさそうに頼まれたのは少し前のことだ。
製造所の仕事に加え、ガラティアや精霊達とのコンタクト、その他諸々を抱える忙しない私にカイエンは気を遣っている。
「そうか……うん。ありがとう。とても助かるよ」
「お礼なんて言わないで下さい。《まだ一人しかいない妃》なんですから、私が頑張らないとっ!」
「……ん?なんだそれ?」
カイエンは思いっきり首を傾げた。
「え、あの……これからまた増えるでしょう?お嫁さん」
「誰の?」
「カイエン様の」
キョトンとして答えると、カイエンは真顔になった。
「お祭りだからな。出店も多いから楽しめると思うよ。オレ達はそうもいかないが」
「ええ。来賓が多いですから……」
この落成式には、アッサラームを筆頭に他国からのお客様が沢山来る。
王族や大臣、各国の使者などが参加するのだけど、彼らの接待をカイエンとともに行うことになっていた。
「悪いな。いろいろ忙しいのに手伝わせて……」
「いえいえ。全然平気ですよ?賑やかなのは楽しいですし、忙しいのも好きですから」
私は微笑んで見せた。
王妃として、共に来賓の応対を……と、申し訳なさそうに頼まれたのは少し前のことだ。
製造所の仕事に加え、ガラティアや精霊達とのコンタクト、その他諸々を抱える忙しない私にカイエンは気を遣っている。
「そうか……うん。ありがとう。とても助かるよ」
「お礼なんて言わないで下さい。《まだ一人しかいない妃》なんですから、私が頑張らないとっ!」
「……ん?なんだそれ?」
カイエンは思いっきり首を傾げた。
「え、あの……これからまた増えるでしょう?お嫁さん」
「誰の?」
「カイエン様の」
キョトンとして答えると、カイエンは真顔になった。