能力を失った聖女は用済みですか?
アッサラームの納期が終わってから、私達は半日の休息をとった。
働き詰めだった子供達は、久しぶりに遊んだり歌ったりし、厨房の料理人やイズール達も各々趣味に走ったり、昼寝したりと様々だ。
そんな中、私は一人菜園にいた。
明日も(たぶん)実るイモのために、余分な蔓を刈っておこうと思ったからだ。
「ここにいたのか?」
作業をしていると、カイエンがやって来た。
最近彼はよく菜園にやって来る。
イモを掘る作業が楽しいらしく、仕事の合間を見つけては、子供に混じって掘っているのだ。
「すみません。何かご用でしたか?」
「うん……あ、仕事中か?オレも手伝おう」
「えっ!大丈夫ですよ?これもすぐに終わりますから」
「いいんだ。土を触るのは好きだから」
カイエンは私の横に座り込むと、見よう見まねで蔓を切っていく。
「好き」だと言うだけあって、手際は良い。
「……普通なら菜園で王様が作業するなんて、あり得ないんでしょうね」
少なくとも、ロランでは見なかった光景だ。
王様、王子様……王家の人や、王宮で働く貴族達も、土をいじったりするのを見たことはない。
「ははは。オレは王らしくないか?」
「いっ!?いえいえ。そんなことは……」
「別に構わない。そもそもオレは『王らしい』の意味が良くわからない」
カイエンは刈った蔓を脇に寄せると、そのまま地べたに胡座をかいた。
働き詰めだった子供達は、久しぶりに遊んだり歌ったりし、厨房の料理人やイズール達も各々趣味に走ったり、昼寝したりと様々だ。
そんな中、私は一人菜園にいた。
明日も(たぶん)実るイモのために、余分な蔓を刈っておこうと思ったからだ。
「ここにいたのか?」
作業をしていると、カイエンがやって来た。
最近彼はよく菜園にやって来る。
イモを掘る作業が楽しいらしく、仕事の合間を見つけては、子供に混じって掘っているのだ。
「すみません。何かご用でしたか?」
「うん……あ、仕事中か?オレも手伝おう」
「えっ!大丈夫ですよ?これもすぐに終わりますから」
「いいんだ。土を触るのは好きだから」
カイエンは私の横に座り込むと、見よう見まねで蔓を切っていく。
「好き」だと言うだけあって、手際は良い。
「……普通なら菜園で王様が作業するなんて、あり得ないんでしょうね」
少なくとも、ロランでは見なかった光景だ。
王様、王子様……王家の人や、王宮で働く貴族達も、土をいじったりするのを見たことはない。
「ははは。オレは王らしくないか?」
「いっ!?いえいえ。そんなことは……」
「別に構わない。そもそもオレは『王らしい』の意味が良くわからない」
カイエンは刈った蔓を脇に寄せると、そのまま地べたに胡座をかいた。