先生と生徒の関係
奇跡の再開
コンサート当日。
私は一番にコンサート会場に着いた。
今だけは
この時間だけは
楽しみたい。
心からそう思ってコンサート会場に足を踏み入れた。
「もう来てたんだ!早いね」
「おっ待たせー!」
「遅くなった」
次つぎと部員が集合場所に集まってきた。
集合時間にはみんなが集まった。
「どこの席に座ろっか?」
「ここ見やすいんじゃない?」
その席は2回目のコンサートの座った席だった。
「ここにしよっか!」
「そーしよ!」
席に座りいろんな話をしていた。
部員ならではの楽器の話。
コンサートの話。

ブーー。
始まる音がなり会場が静まった
幕が開き拍手をしていたその時。
私の手が止まった。
舞台の上には目を疑う光景があった。
それは…
川中先生。
パンフレットをしっかり見ていなかった私は全く気付かなかった。
今回はコンサートマスターの後ろの席だった。
なんでこんなところに川中先生がいるの?
内心すごく嬉しかった。
来てよかったって思った。
飛び上がりたくなるぐらい嬉しかった。

コンサート中、目から川中のことが一回も離れなかった。
すごく感動した。
バイオリンを弾いている川中は塾の川中よりとってもかっこよかった。
川中の目は輝いていた。
すごく楽しそうに弾いていた。
指揮と楽譜を見ながらリズミカルに弾いていた。
今はわかる。
この曲の難しさ。
曲を完成させるだけにどいだけの時間がかかっただろうか。
前の自分ではわからなかったが、今ではわかる。
川中を研究しながら、一曲一曲感動させられながらコンサート見ていた。

「アンコール、アンコール」
会場中に声が響き渡る。
その時、客席を向いた川中と視線があった

アンコールの曲は今話題の曲です!
指揮者がワン・ツー・スリーと指揮をふると
一発目の音から感動した。
鳥肌がたった。
音が綺麗にハモっていて、強弱もついていてすごかった。

拍手と同時に幕がしまった
「すごかったね」
「今の私達じゃ全く弾けないよね」
「あんな風に弾けるようになりたい!」
「人を感動させれるような演奏をしたい」
部員みんながそう思った
私も当然そう思った。

「あっ!先輩」
「お疲れ様です」
「コンサートありがとうございました」
「とても勉強になりました」
「すぐ見つけれたよ」
「こんなふうに弾けるといいね」
笑顔で言って離れていった

「じゃーまた部室でね!」
「バイバイ」
< 16 / 21 >

この作品をシェア

pagetop