チョコなんてあげないっ!


広斗には、スマホのメッセージで

【広斗に大事な話があるの!
今日の放課後、学校の屋上まで来てください。】

と言ってある。


あたしはガトーショコラの入った紙袋を手に、屋上へと向かう。

緊張を落ち着かせようと、階段を1段1段
ゆっくりとのぼる。


広斗……来てくれるかな?


屋上の入口の扉を開くと、少し離れたところに広斗の後ろ姿が見えた。


「……き、なの」


広斗と向き合うかたちで、ショートヘアの女の子が立っていて。


「わたし、広斗くんが……好きなの!!」


叫ぶようにそう言った女の子は、手を震わせながら、広斗にチョコレートが入っているであろう包みを渡す。



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