チョコなんてあげないっ!
「え? 七海? あいつなら、先に帰ったけど?」
「彼女なのに、1人で先に帰して良かったの?」
「は? なんで?」
広斗が、首を傾げている。
「だって広斗、今年は誰からのチョコも受け取らないって言ってたのに。
七海ちゃんからのチョコは、受け取ってたじゃない!
……それって七海ちゃんが、広斗の彼女だからじゃないの?」
「琳、まさか……さっきの屋上でのこと、見てたのかよ?」
あたしは、コクリと頷く。
「まぁ、見られたもんはしょうがない。
七海との関係、まだ誰にも話してなかったけど、ちゃんと琳に話すよ」