チョコなんてあげないっ!
「なっ、七海ちゃんと広斗の関係なんて、聞きたくないから。話してくれなくて良いよ。あっ、あたし急用を思い出したから、かっ、帰るね」
" 彼女ができた "
そういう報告なら、別にいらない。
聞きたくない。
だからあたしは、椅子から立ち上がって、教室から出ていこうとしたのに……
「待てよ」
背後から伸びてきた大きな手に、腕をガシッと掴まれ、ぐいっと広斗のほうへと引き寄せられる。
「行くな、琳」
そしてあたしは、広斗に後ろから抱きしめられた。