時計のカルテット～オタクがイケメン侍らせて何が悪い～

　カルテットを集めて

「はっ」と目が覚めると、真っ暗だ。周りを見渡しても尚暗かった。

寝ぼけまなこだった頭が徐々にさえ始めた。

だが私自身が何をして、この状態に陥ってしまったのか思い出せない。

あまつさえ私が今どんな服装をしているのかも解らない。

男なのか女なのか、髪は長いのか短いのか、解らない。ということは無く私は女だ。

そして日本生まれの日本人。プラスオタクだ。

今日は家に帰って推仕事をする予定だったということは覚えてる。だが如何せん。

周りを見渡しても黒、黒、黒、黒、私がどうしてこの真っ暗の世界に来てしまったのか皆目見当も付かなかった。

「どーして、こうなったぁぁぁぁぁぁー」

　叫んでみたが辺りはアリの子一匹もいないのでないかと疑うほどの静寂だった。

家に帰りたい。

その一心で、進むことにした。

この場所で地団駄踏んでいたって、何も変わらない。

何処まで続いているのか、はたまたどこに向かえば正しいのか解らなかったが、何と無く真っ直ぐ向かうことにした。