時計のカルテット~オタクがイケメン侍らせて何が悪い~
 真っ直ぐ進んでいると、足元に何か転がっていることに気付いた。

転がっている物を拾い真っ直ぐ進んだ。

大体ゲームにおいて置いてあるアイテムは拾うことが大切だ。

これはゲームにおいて常識だと思う。

物を拾った時に気付いた事だが、林檎のような桜の様な匂いがした。

それは転がっていた物からも匂うが、それ以上に私の進んでいる道筋から強く感じた。

少し進むと匂いは濃くなり私は少し速歩になった。

5分ほどたったと思う。

もしかしたら5分以上たったのかもしれない。

普段から運動していないことがバレる様な気がした。

少し疲れた私は脚の皿に手を置き、息を整えて顔を上げた。

「え。なんじゃこりゃーーーーーー」

目の前には林檎の様な桜の様な色をした扉が表れた。

先程までには無かったはずだ。

開けるべきか、はたまた開けないべきか。

私は開けることにした。

開けなければ始まるもんも始まらない。

意を決して開けたが、目の前に広がったのはレンガの壁だった。
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