時計のカルテット~オタクがイケメン侍らせて何が悪い~
「お嬢ちゃん。そんなにこれが珍しいかい」
人一人殺してそうな人相のサングラスのスキンヘッドの店主に一瞬驚きつつ
「はい。私のいた国では見たこと無いですね。」と答えた。
「そうかい。これはこの国。トゥレス国の御菓子でシュガーパレットというやつだい。一粒食べてみるか?」
店主が差し出してきたのは飴玉の様なピンク色の小さな丸い御菓子だった。
「食べたい! あっでも遠慮しておきます。ありがとうございます。」
食べたかった。
食べたかったけど、この明らかに日本では無い国で無銭飲食はやばい。
私が持っている物は暗闇の中で拾った3という数字が彫られているピンクゴールドの四角いペンダントだけだった。