時計のカルテット~オタクがイケメン侍らせて何が悪い~
「でっかいぃぃー」
これはビックリした。
居候の人が何人かいることは聞いていたが、こんなに大きな家とは想像しなかった。
私の家何戸分何だろう。
「ねぇ。入らないの?」
ユチーフさんに言われ、急いで敷居を跨いだ。
言わずもがな屋敷の中も凄かった。
一体お家賃いくらって感じですかね。
住んでいいよと言われても、家賃が払えない説あるなと、ボーっと考えていると、
ユチーフさんのお顔がドアップに。
いいなぁ。
イケメンってドアップでも耐えれるって。って違う
「何ですか。いきなり顔面を近付けてきて。ビックリするじゃないですか。
イケメンって自覚してないんですか。ユチーフさん」
「その、ユチーフさんっての僕、嫌だな。
それと敬語。御菓子食べてる時とか、意識してない時だけタメ口って、李葉ちゃん気づいてる? 」
「いやぁ。初対面ですし、多分ですが、ユチーフさんの方が年上田と思いまして。
流石に年上にタメ口はいけないかと」
徐々に声が小さくなっていく私に対し、ユチーフさんの顔には悪魔の微笑みがぁ。
あっこれ。いい案思いついた顔だ。
「一緒に暮らすんだし、タメ口の方がいいと思うなぁ。それと李葉ちゃん。僕18だけど」
「え?」
耳を疑った。
「僕18歳で学生ですよ。服装だって、何処から見ても学生服でしょ」
いや。日本ではそんな学生服は見たことないが。
スーツの様な物の上に黒い大きなポンチョみたいなコートを着ていた。
どっからどう見ても成人男性に見えるんだがぁぁー。
とりあえず、
「ユチーフさん。18歳だったの」
「カノンと敬語」
顔を見ない。顔を見ない。
「カノンは年下だったの」
「うん」
語尾にハートでもつきそうな勢いで答えた。
「李葉ちゃん年上だと思ってるんだろうなーって思いながら対応してたぁ。
それとバカ犬の様にキョロキョロお店見てて滑稽だなぁとも思って見てた」
あっこいつ性格悪い奴だわ。
元々裏がありそうだとは思ってたけど、
宿紹介してくれたし、
ホントは良い奴かもと、
一瞬でも勘違いした
私を殴りたいぃぃぃぃ。