アリサ・リリーベル・シュタルクヘルトは死んだ(修正中)
夫婦らしく・下
オルキデアの支払いでカフェを出た二人は、アリーシャの希望もあって、百貨店内を軽く見て、買い物をしてから、百貨店を後にした。
そのまま、先程の宝飾店に向かうと、礼として王都で有名な菓子店の菓子折りーーアリーシャに勧められて購入した。を渡して、車を引き取った。
菓子を渡した孫娘は「わざわざすみません」としきりに恐縮し、店主には「またいつでもどうぞ」と丁寧に見送りまでしてくれたのだった。
それから、アルフェラッツが勧めていた軽食店ーーハルモニアから出店した「おにぎり」という米料理を出すお店だった。に寄った。
食べ応えのある「おにぎり」という米料理と、豆を発酵させて作った「味噌」をベースに作った「味噌汁」というスープを堪能した。
その後、車を返却しにコーンウォール家に向かったのだった。
「結局、指輪と本とお菓子しか買わなかったですね」
後部座席から声を掛けてくるアリーシャに、「そうだな」と運転席のオルキデアも同意する。
「楽しかったか?」
「はい! とっても!」
行きとは違い、弾むような声のアリーシャに、自然とオルキデアの顔にも笑みが浮かんでくる。
「今日一日で、また沢山楽しい場所や美味しい食べ物、綺麗な物を知りました。これも全てオルキデア様のおかげです!」
綺麗な宝飾品、賑やかな百貨店、美味しいパフェやフルーツサンド、おにぎりも。
娼婦街とシュタルクヘルト家という狭い場所で育ったアリーシャにとって、どれも目新しいものだったに違いない。
「本当にありがとうございました。とても……とても楽しかったです」
「買い物のついでだ。それに、クシャースラから聞いたが、百貨店は郊外から来た者や、シュタルクヘルトから来た者たちにとっては真新しいらしいな」
これはクシャースラがシュタルクヘルト出身の者に聞いたそうだが、シュタルクヘルトには未だ百貨店は建っていないらしい。
それに近いものはあるらしいが、百貨店よりももっと格式が低くく、店数が少ないらしい。
百貨店ほど建物も綺麗ではなく、平屋建てがほとんどなので、シュタルクヘルトから来た者たちーー亡命者が主だが。は百貨店に驚くそうだ。
また、ペルフェクト国内でも百貨店はまだ郊外には建っておらず、この王都にしかないので、クシャースラのように郊外出身の者も、シュタルクヘルトから来た者たちと同じように驚くらしい。
アリーシャもそうではないかと思ったら、案の定、同じ反応を示していたのだった。
「『百貨店は真新しい新鮮な出会いがある面白い場所』と、この国の第三王子でさえ、絶賛していたらしい」
「そんな場所に私たちは出掛けていたんですね」
そうして話している間に、車はコーンウォール家の屋敷前に辿り着いた。
「君は待っていてくれ」
そう言って車を降りると、屋敷の玄関に向かう。
コーンウォール家はオルキデアの屋敷よりこじんまりとしているが、メイソンのおかげか庭木は整えられ、コスモスやダイアンサスなどの秋の花々が綺麗に咲いていた。
玄関前に辿り着くと、オルキデアが呼び鈴を鳴らす前に内側から開かれたのだった。
「帰ってきたか」
顔を出したのは、家主にして車の持ち主のメイソンだった。
「はい。たった今」
メイソンの後ろからは、マルテもやって来て「あらあら。お帰りなさい」と笑顔で出迎えてくれる。
「ただいま戻りました。車をお返ししたいのですが、敷地内に停めてもいいですか?」
「そんなことに、いちいち許可を求めなくていい」
ぶっきらぼうに返すメイソンに、マルテは「まったく……」と呆れたように溢していた。
そのまま、先程の宝飾店に向かうと、礼として王都で有名な菓子店の菓子折りーーアリーシャに勧められて購入した。を渡して、車を引き取った。
菓子を渡した孫娘は「わざわざすみません」としきりに恐縮し、店主には「またいつでもどうぞ」と丁寧に見送りまでしてくれたのだった。
それから、アルフェラッツが勧めていた軽食店ーーハルモニアから出店した「おにぎり」という米料理を出すお店だった。に寄った。
食べ応えのある「おにぎり」という米料理と、豆を発酵させて作った「味噌」をベースに作った「味噌汁」というスープを堪能した。
その後、車を返却しにコーンウォール家に向かったのだった。
「結局、指輪と本とお菓子しか買わなかったですね」
後部座席から声を掛けてくるアリーシャに、「そうだな」と運転席のオルキデアも同意する。
「楽しかったか?」
「はい! とっても!」
行きとは違い、弾むような声のアリーシャに、自然とオルキデアの顔にも笑みが浮かんでくる。
「今日一日で、また沢山楽しい場所や美味しい食べ物、綺麗な物を知りました。これも全てオルキデア様のおかげです!」
綺麗な宝飾品、賑やかな百貨店、美味しいパフェやフルーツサンド、おにぎりも。
娼婦街とシュタルクヘルト家という狭い場所で育ったアリーシャにとって、どれも目新しいものだったに違いない。
「本当にありがとうございました。とても……とても楽しかったです」
「買い物のついでだ。それに、クシャースラから聞いたが、百貨店は郊外から来た者や、シュタルクヘルトから来た者たちにとっては真新しいらしいな」
これはクシャースラがシュタルクヘルト出身の者に聞いたそうだが、シュタルクヘルトには未だ百貨店は建っていないらしい。
それに近いものはあるらしいが、百貨店よりももっと格式が低くく、店数が少ないらしい。
百貨店ほど建物も綺麗ではなく、平屋建てがほとんどなので、シュタルクヘルトから来た者たちーー亡命者が主だが。は百貨店に驚くそうだ。
また、ペルフェクト国内でも百貨店はまだ郊外には建っておらず、この王都にしかないので、クシャースラのように郊外出身の者も、シュタルクヘルトから来た者たちと同じように驚くらしい。
アリーシャもそうではないかと思ったら、案の定、同じ反応を示していたのだった。
「『百貨店は真新しい新鮮な出会いがある面白い場所』と、この国の第三王子でさえ、絶賛していたらしい」
「そんな場所に私たちは出掛けていたんですね」
そうして話している間に、車はコーンウォール家の屋敷前に辿り着いた。
「君は待っていてくれ」
そう言って車を降りると、屋敷の玄関に向かう。
コーンウォール家はオルキデアの屋敷よりこじんまりとしているが、メイソンのおかげか庭木は整えられ、コスモスやダイアンサスなどの秋の花々が綺麗に咲いていた。
玄関前に辿り着くと、オルキデアが呼び鈴を鳴らす前に内側から開かれたのだった。
「帰ってきたか」
顔を出したのは、家主にして車の持ち主のメイソンだった。
「はい。たった今」
メイソンの後ろからは、マルテもやって来て「あらあら。お帰りなさい」と笑顔で出迎えてくれる。
「ただいま戻りました。車をお返ししたいのですが、敷地内に停めてもいいですか?」
「そんなことに、いちいち許可を求めなくていい」
ぶっきらぼうに返すメイソンに、マルテは「まったく……」と呆れたように溢していた。