泣いてる君に恋した世界で、


――翌朝。


スマホをつけると望月から一言来ていた。
送られた時間は[22:17]
気付くはずもない。
なぜなら、眠りにつけずそわそわしだした俺はリビングに下りて飲み物を取りに行っていたからだ。自室に戻れば即ベッドに入って寝たので通知が来ていたことは認知していない。


……ていうか。



【言うの忘れてた。どの写真にも指が乱入してるのはちょっと…笑 気になって仕方なかったの笑 カメラ初心者さん、以後気をつけるように⚠︎ヾ('∀'*)】

文面に笑った。そして安心した。

改めて送った写真を見返してみる。
左下端や右下端にぼやけた肌色がよく映り込んでいた。よくこれで自画自賛していたな自分。言われていなかったらずっとこのままたったと思うよ……。

 
【ありがとう。気を付ける笑】と送り、再び寝転んだ。

今日は特に予定もないし、羽星も料理お休み日だし、まだ日曜日。そしてまだ7時台ということもあり、あともう2時間は寝たいところ。意外と睡魔はすぐにやってきて眠りに落ちた。


二度寝って恐ろしい。目を開けた時はもう予定していた時間をとうに過ぎていたし、半日損した気分だった。


朝食はブランチと化し、寝すぎたせいなのか体がだるい。そして暇すぎた。

おかしい。起きた時は損した気分だったのに今は損得関係なしに『早く夜になれ』と時間を早送りしたい気分だ。

最近のテレビ番組は特に観たいほどの面白さを感じないし、羽星のために入れた動画アプリを開くけれどあまり興味を引かれるものがないのでやっぱしつまらない。

そう思うと、こき使いの荒いカフェ店(意訳:人手不足)でも恋しくなった。あーバイト行きてぇ。今ならどんどんこき使ってくれても構わないから、誰か交代してくんないかな……。

結局この日は交代の依頼も来ず、だらだらと時が過ぎるのを待つだけだった。


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