未来の種
十代の頃から、私の生理痛は重く、それも年々酷くなっていく一方だった。

大学卒業間際、ついにあまりの痛みに失神し、これはもう放置できないと近くのレディースクリニックを訪れた。そこで受けた診断は、子宮内膜症と、それに伴う卵管閉塞の可能性があると言うことだった。

そのレディースクリニックからの紹介で、大きな病院に行き、検査したところ、やはり卵管が左右とも詰まっていると言うことだった。
しかもそれだけではなく、子宮奇形もあると。

ただ生理が重いだけではなく、今後、不妊治療をしなければ、子供を授かる事は困難だと告げられたのだ。
子供が大好きで、卒後は幼稚園教諭になる私には受け入れ難い診断結果だった。ショックだった。

この検査の結果から、私の人生は大きく変わることになる。







「検査結果なんだけどね、やっぱり、以前受けた検査同様、卵管閉塞が見られるね。特に右の卵管は癒着が広範囲だね。左は…造影剤が微かに通ったから、こっちはもしかしたら…。これは良い知らせだよ。」

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