未来の種
「こっちの写真は…」

「…子供達に写真立ての作り方を教えるための練習台。試作品だよ…。」

「試作品に俺達の写真、入れたんだ。」

「つ、使わないともったいないでしょ!」

「……うん。そうだな。もったいない。」

そう言って、優はニヤニヤしながら私を抱きしめてきた。

「ミイ、可愛い」

あーもうっ! こんなの見られたら、ずっとウジウジと優のこと想ってたのバレバレだよ。

「ミイ、ベッドに行こう?」

甘い顔をして誘ってくる。

「え! ご、ご飯食べるんでしょう?
あ、ほら、今ご飯炊けたよ?」

優、“待て”だよ!

「………じゃあ、後でね。」

「…。」



公親くんの言う通りだった。
3年間離れていたのに、会えばすぐ元通り。
いや、会わなかった分、優がさらに甘くなっている。あの王子様の笑顔はダメだ。なんでも言う事を聞いてあげたくなってしまう…。これから一緒に生活していくんだから、優の誘惑に負けないように、気を引き締めないと!

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