色のない世界に恋のうたを
私たちが出会って4ヶ月が経った時。
『実は、明日で28歳を迎えるんだ』
「おめでとう龍斗くん。素敵な1年にしてね」
『それで、その。ずっと言おうと思ってたことがあって。 一目惚れ…だったんだ』
「…え?」
『波美のこと、一目見た時からずっと好きでした。 無理なことを言うかもしれないが聞いて欲しい。 僕と一緒に城へ来てくれないか?』
「…私が、どうして?」
『実は、花嫁を探していて。母が結婚しろとうるさいんだ。 夜だけこの姿に戻れるのであれば、明日の夜にでも両親に会わせたい』
「あなたと結婚するの?」
『…君が嫌じゃなければ、の話だけどね』
彼が少しはにかんだ。
その顔が美しくて、やはり胸がキュンとする。
「私も一目惚れ、でした」
『…ほんとに?』
「うん。あなたになら撃たれてもいいとずっと思ってた」
『撃つだなんて…俺は君と一緒に生きたいんだ』
「…はい、」
突然でびっくりしたが、私達はお互いに一目惚れをした。
私は自然と涙がこぼれ落ちて、ワンピースの袖を涙で濡らす。
龍斗くんは少し慌てたように、でも優しく私を抱き寄せてくれた。
『ずっと一緒にいよう。永遠に、何があっても』
約束ね?と彼が言う。
彼は私が欲する言葉を全てくれたんだ。
そして月に照らされる間、彼は私の核心に迫る質問をした。
『君が人間に戻る方法はあるの?』
「白鳥の姿の時に、くちばしに愛する人がキスすることが条件だって悪魔が…」