色のない世界に恋のうたを
「拓実、今日なんか変」
『変?どういう風に』
「さっき話してくれるって言ったじゃない」
『そう、それを待ってた』
来て、と言われてソファに2人で腰掛ける。
『萌はさ、何があっても俺と仲良くしてくれる?』
「…何があってもって?」
心臓が、鼓動が、早くなる。
『俺さ、勝手に萌の人間関係の中で俺は結構大事なポジションにいると思うの』
「うん、それは間違いじゃない」
『…たださ、俺は男として見られてる?』
「え?」
聞かれたのは意外な質問だった。
『どうなの?』
「拓実のこと、男として見てるよ」
『ほんと?』
「うん、」
『今更すぎて信じて貰えないかもだけどさ、
…俺、萌のこと好きだよ』
「……嘘、」
びっくりしすぎて口を押えた。
その反応を見て焦る拓実。
『ごめん、友情にヒビ入れたくなかったから言わずに黙ってたけど言わなきゃ俺、いつまで経っても諦めつかねぇと思って…』
「私もずっと好きだった。拓実のことが」
『…萌、ほんと?』
「本当。私もずっと言えなくて…ごめん、」
『マジか…夢じゃないよねこれ?』
「現実だよ笑 でもほんと夢みたい。 拓実が私を好きだったなんて」
『うわ、もっと早く言えばよかった』