色のない世界に恋のうたを

そう言って私の手を取り、優しく握った。

『まじでずっと好きだったんだよ。 出会った頃すぐに、課題教えてくれたことあったでしょ?あの時からずっと。 ずっと告ろうと思ってたのに、仲良くなればなるほど難しくなっちゃって』
「…それは、私も同じかも」

仲の良さが、お互いの恋を阻んでいたんだ。

『今日こそはと思って、家も綺麗にして、お風呂もすぐ入れるようにした』
「ふふ、だから今日ちょっと変だったのか笑」
『そこまで気づいててなんで好きって気づかないかなぁ』

手で頭を抱える素振りをする拓実。
でもその反対の手はずっと私の手を握っている。

『俺の彼女になってくれますか?』
「はい、」
『…大事にする』
「拓実なら一緒にいるだけで充分」

私も早く思いを伝えればよかったかなぁ。
あなたをこんなにも、思ってたんだよ?って。
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