色のない世界に恋のうたを
[ふ、お前恋でもしてんの?笑]
「…え、」
[なんだよわかりやすいな]
ついには同じ学部の黒沢に、バレてしまうほど。
「…そんなにわかりやすい?」
[わかりやすいし顔に書いてある]
「嘘…」
[年下の彼のこと?]
「そう、こないだ女の子と歩いてるの見ちゃった」
[うわぁーありガチのやつ]
「やっぱり年上なんかよりも同級生のがいいのかなぁ…」
[ふは、珍しいなお前が思い悩んでんの]
そう言って机に突っ伏す私の写真をカメラに収める黒沢。
こいつ、後でぶっ飛ばす。
「めっちゃ可愛いJKだったの」
[お前もメンタルJKになればいいじゃん]
「…馬鹿なの?」
[青っぽく正面からぶつかれって話]
「分かりづら」
でも黒沢の言ってることは正しくて。
私もそれしか方法はない事はわかっていた。
そして、ようやく終わったバイトの3連勤終わりの夜。
『志乃ちゃん!』
「…篤志!なんで!?」
バイト先を出る私を、待ち伏せていたらしい。
『おばさんから聞いちゃった!』
「そうだったの、」
寒いし帰ろうといって、帰路につく。
『最近、ちゃんと会えてなかったね』
「うん」