色のない世界に恋のうたを
明くる日。
昨日言ってた通り、拳銃携帯の許可がおりた。
『これ、着とけ』
「…防弾チョッキ?」
『あぁ、どこ狙われるかわかんねぇし、』
「…ありがと、」
着替えを済ませ、捜査へ向かう。
今日はいよいよ、敵のアジトへ近づく。
____パン
アジトから発砲音が聞こえる。
きっとホシが私たちに気づいて、こちらに挑発してきたのだろう。
[紫ノ宮、君嶋は裏から回り込んで挟み撃ちにするぞ]
ボスの指示で裏へ回り込む。
緊迫した空気がこの地一体に流れる。
『俺が先に進む。君嶋は背後頼む』
「分かった」
紫ノ宮よりも背の低く小柄な私が彼の背中に隠れ、 正面からの敵に気づかれないようにして、隙を狙い撃つ。
これが私たちが長年の現場で身につけた技だ。
(動くな、)
紫ノ宮の目の前に現れた敵。
紫ノ宮は銃を敵に投げ、手を挙げる。
(ん?なんだ?)
私の影に気づき視線をずらす。
その隙に、
____パァンパァン
彼の手から拳銃を離した。