すてきな天使のいる夜に〜2nd Sstory〜
「沙奈…。
俺、応援するから。
俺が、力になれることは全部するから。」
翔太は、想像以上の反応で笑顔で私にそう言った。
「ありがとう、沙奈。」
「えっ?」
「沙奈の夢の話を聞くことが出来て嬉しかった。
俺達も、たくさん悩んで沙奈を引き取る決心をしたんだ。
当たり前だけど、育てることなんてした事がなかったから、沙奈に悪い影響を与えたりしてなかったかとか、我慢させてなかったかとか悲しい思いを今以上にさせてはいけないって考えていたんだ。
だから、俺たちとの関わりの中で沙奈が夢を見つけられたなら素直に嬉しいよ。
俺は、沙奈の夢を応援したい。」
気づいたら、フワッと体が浮かんで私は翔太と向かい合うように膝の上へ座らされていた。
自分の見つけた夢を、認めてもらえた安心感から、目から涙が溢れ出ていた。
「翔太…。」
「そんな感じだと、たくさん悩んでたんだな。
俺達のこと考えて、進学じゃなくて就職の道を選ぼうとしてたんじゃない?」
「…うん。」
「やっぱりか。何となくそんな気がしていたんだ。
でもな、沙奈。
やっぱり俺は、沙奈は進みたい道に進んでほしいと思うんだ。
そこに俺も、寄り添っていくから。」
何度も何度も、翔太は私の頭を撫でてくれた。
先の見えない漠然とした未来に、少しだけ希望の光が見えたような気がした。
また、受験や就職試験とかまだまだ乗り越えていかなければならない壁があるけど、私は1人じゃない。
「翔太、今日のご飯は何?」
「そうだな…。
沙奈は、何が食べたい?」
「何でもいいよ。翔太の作るものは何でも美味しいから。」
「そうか?
じゃあ、最近は紫苑がメインに作ってくれていたから今日は俺が絶品料理を沙奈に振る舞うよ。」
「うん!
私も、できること手伝う。」
「ありがとう。
だけど、無理はするなよ?
それから、進路のこともちゃんと紫苑に話そうね。
俺も一緒にいるから。」
「うん。ありがとう。」
それから、翔太と一緒にご飯の買い出しに向かい、翔太と手を繋ぎながら紫苑の待つ家へ向かった。