七色の魔法使い#特別編~大きな虹を描いて~
髪には、小さな白い花の髪留めが付いてる。

「……誰か来る」

僕は誰かの気配を感じて、近くの木に隠れた。そこから広場を眺める。黒いフードを深く被った誰かが、湖のほとりに立ってた。

長い水色の髪が、風に揺れる。

「……アイビー……」

確かに、水色髪の子はそう呟いた。僕が声をかけようとした時、水色髪の子は姿を消す。代わりに、そこには妖魔がいた。

「……久しぶりに妖魔を見たよ……」

僕はローブに付いたフードを深く被ると、地面を強く蹴って空高く飛び上がる。

「僕は、何年も刀を握ってないんだ……少し待ってくれないかな?」

そう言って、僕は近くの太い木の枝に着地した。正直、あの時のように戦えるか不安なんだ。でも、戦わないと……。

僕が魔法で刀を作り出そうとすると、空から矢が降り注いだ。

「……アイビー、輝一……あれは……僕?」

アイビーは地面に着地すると、近くにいた輝一と僕に顔を向けた。

……ややこしいなぁ。過去の僕は、冬都って呼ぼうかな……ちょっと嫌だけど。輝一たちは、多分大丈夫。未来から輝一たちが来なければ、の話だけど……。

3人は、それぞれ武器を構える。

「……おい!冬都!」

輝一が、冬都を見て叫んだ。この光景を見て思ったんだけど……。
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