七色の魔法使い#特別編~大きな虹を描いて~
「……そっか」

僕は素早く妖魔の懐に入り込むと、刃に青い炎を纏わせて、妖魔を斬り付けた。

妖魔は表情を崩すことなく、空気に溶け込むように消えてく。

「……」

僕は、刀を片手に冬都たちに近付いた。近くに落ちてた鞘を拾うと、鞘に刀を収める。

「……さて、改めて自己紹介をしようかな。僕は、冬都……数年後の未来から来ました」

僕は、驚いた顔を見せた皆に微笑んだ。



「僕は、未来を変えるために来たんだ。だからといって、未来のことは話せない」

館に戻って来た僕は、皆に簡単に説明する。冬都も目を覚ましたし、僕は僕がしなければならないことをしに行こう。

「……ごめんね。僕は、そろそろ行かないと……」

そう言って僕が館を飛び出そうとすると、僕の腕をアイビーが掴んだ。

「……待ってください」

「ん?どうしたの?」

「良ければ、未来に帰るまでの間……ここに泊まってください」

「……ありがとう。そうさせてもらうよ。暗くなったくらいに、ここに戻ってくるね」

僕は、微笑むと森へと飛び出した。



「……今日もダメだった……」

僕は館に戻ってくると、椅子に座り込む。僕が過去に来て、数日が経った。なかなか黒幕は見つからない。
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