Shyなtownのりんご姫!
倫子は知っていた。赤レンガ調の建物が多いこの街が、夕日に照らされる事によって、街全体が、夕日を含めて恥ずかしがっている様に見える事を。
だが、それと同時に、輝かしい朝日に照らされるこの街が、この世の中の何よりも美しく光って見えるであろう事を。

―物凄く恥ずかしがりやな私だけど、誰よりもまぶしく輝いて見たい!―

その思いが、倫子をメールという手段ではなく、言葉として要にぶつけようとうながした。
今の今まで顔を赤くして、まともに話をしようとはしなかった倫子。だが、夕日に向かって自分の思いを叫んでいた倫子の姿が、本当の彼女の姿なんじゃないか。今の倫子の言葉を受けた要にはそう思えた。
要は、携帯電話を閉じ、倫子に言った。

「俺にも手伝わしてよ、君が輝ける様に!なぜだか分からないけど、俺自身、そうしなくちゃいけない様な気がするんだ!」
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