愛
私は助手席
雄輔さんは運転席へ
それぞれ座った
雄輔さんは
エンジンをかけ
暖房をかけてくれた
『体かなり冷えてるね』
少し眉を下げて言った
その顔
反則だよ・・・
『あ、ありがとう・・ございました』
私はとっさにお礼を言った
『全然・・・』
『ごめんなさい。巻きこんじゃって・・・。』
『俺は大丈夫!!奏ちゃんこそ大丈夫?』
また眉を下げて聞いてくる
『大丈夫じゃないか・・・』
私が答える前に
雄輔さんに先をこされた
『ご飯でも食べに行こうか』
さっきのしんみりした
雰囲気を変え
明るい声で言う
この人には言おう
言える
『初めてじゃないんだ・・・』
『えっ』
私は雄輔さんに
全てを話した
隅から隅まで・・・