転生したらまさかの悪役！？

人狼に転生したばかりの頃は、悪役として生きなくちゃいけないことに絶望して、自分のことをまた嫌いになりそうだった。でも、今は人狼や動物たちと暮らす日々が楽しいと思っている。

このまま、平穏な時間が続けばいい。でもそう願えば願うほど、物語は違う方向に進んでいく。

「大変だ〜！大変だ〜！」

バサバサと音を立てながら森の見張りをしてくれているフクロウが飛んでくる。いつになく慌てている様子だ。

「騎士たちがこの森に攻めてくるぞ〜！！」

その言葉に、僕たちは一斉にパニック状態になってしまった。



フクロウの話によると、騎士たちは森の近くにテントを立てて寝泊まりし、森を攻め込む作戦を立てている最中らしい。僕たちも集まり、作戦会議の日々が続いた。

「ようやく平穏に暮らせる場所が見つかったと思ったのに……」

「どうする？殺される前に騎士たちを殺すか？人間より俺たちの方が強いぞ」

「子どもたちだけでも逃してあげられないかしら？」