転生したらまさかの悪役!?
今日は大きな満月が輝く夜。僕たち人狼は、人の姿から耳や尻尾が生えた姿に変わっている。爪は鋭くなり、人間など簡単に噛み砕くことができる牙も生えていく。
「僕たち、殺されたりしないかな?」
リバーが隣で不安げに訊ねる。僕は安心させるように笑い、「大丈夫だよ」と返す。
「僕たちが何もしなければ、きっと向こうも何もしてこない。それに万が一の時はこっちの方が強いから!」
ザッザッという足音はすぐそこまで迫っている。大丈夫と何度も心の中で繰り返し、他の人狼たちと目配せした。
鎧を身に付けた騎士たちが姿を見せる。憧れの人とこんな形でなんて会いたくなかった。月明かりに照らされ、騎士やその仲間たちが身に付けている衣装が煌めき、見惚れてしまう。
しかし、騎士は巨大な剣を抜いて森全体を睨み付けて言う。
「野蛮な人狼ども!!姿を隠さずに出て来い!!一人残らず殺してやる!!」
小説を読んでいた頃、こんな台詞を見てもこんなに傷付くことはなかった。ただ、多くの人のためにどんな怪物にも立ち向かう姿に憧れ、かっこいいなと思っていた。でも今、僕はーーー。
「僕たち、殺されたりしないかな?」
リバーが隣で不安げに訊ねる。僕は安心させるように笑い、「大丈夫だよ」と返す。
「僕たちが何もしなければ、きっと向こうも何もしてこない。それに万が一の時はこっちの方が強いから!」
ザッザッという足音はすぐそこまで迫っている。大丈夫と何度も心の中で繰り返し、他の人狼たちと目配せした。
鎧を身に付けた騎士たちが姿を見せる。憧れの人とこんな形でなんて会いたくなかった。月明かりに照らされ、騎士やその仲間たちが身に付けている衣装が煌めき、見惚れてしまう。
しかし、騎士は巨大な剣を抜いて森全体を睨み付けて言う。
「野蛮な人狼ども!!姿を隠さずに出て来い!!一人残らず殺してやる!!」
小説を読んでいた頃、こんな台詞を見てもこんなに傷付くことはなかった。ただ、多くの人のためにどんな怪物にも立ち向かう姿に憧れ、かっこいいなと思っていた。でも今、僕はーーー。