あなたに本命のチョコを
放課後になって、紗季は部活に行ってしまった。

私はまだ教室に残っている…

もう誰も居なくなった教室はとても静かで、
少し寂しくなった。

そして私はおもむろに、

自分のバックから先生のために作った本命のチョコを取り出し、口に含む…

…ジワリと広がるチョコの甘さに、涙が止まらなかった。

私が、別の形で先生に出会えて居たらどれだけ良かっただろう…

そんなこと考えたってどうしようもないことなのに考えてしまう。

紗季には、義理チョコとしてでも渡せばいいんじゃないって言われたけど、それはきっと無理…

だって、きっと気持ちが溢れてしまう…

大好きっていう気持ちが、

だから何も言えない…
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