あなたに本命のチョコを
でも、きっとそれは叶わない…

先生の声が、温かさが、余りに甘くて切ない。

氷室先生は、そっと私を抱きしめて居た手から離すと、

「と、とにかく、佳奈はいい子だからすぐいい人を見つける…大丈夫だ」

切なげな表情とは裏腹に優しい声音で言う。

その言葉は、私にとって余りに残酷だった。

…違うんです…この想いは…

< 9 / 15 >

この作品をシェア

pagetop