【幸運の矢】
当たり
俺は 満月のたびに
宛てもなくさまよっていた。
幸運の矢が 飛んでくるのを・・・求めて!!
次の 幸運は この俺だ!!どんなハッピーも手に入る夢の矢だ!!
注意深く 満月を 見上げる 時折 雲が その姿を消しては、また顔を出す。
その時だ!
おおっ!
ついに 幸運の矢が 見えた!!
しかも こちらの方に 飛んできた!!
俺は 慌てて 走りだした。
矢の 先には バァさまが居るではないか!?
クソッ ババァー!!
邪魔すんじゃねぇーっ!
俺は バァさまを 押し退け幸運の矢を・・・受け止めた!!
イテェ!!!!?
俺は この痛みを 全身で 受け止める・・・
なんて幸福なんだ!
この瞬間 俺は幸せに満ちていた。
悪いな バァさま!!
老い先短い あんたより
俺の方が・・・必要なんだ
バァさまに 勝ち誇ったような 微笑みを 送っていた。