嫌いなんですけど。
「はぁ?なんだよ、不細工は黙ってろよ。」
「はぁ〜!?」
そりゃ美奈子と並べば私の方が劣っているけど、そこまでの不細工でもないでしょっ!!
そこまで言うことなくない?
「はいはい、どけどけー。」
ドンッ!!
男らがぶつかってくる。よろけてしまい、美奈子がっ!!
させるかよっ!!
「おらぁっ!!」
ドカッ!!
後ろから飛び蹴りをかましてやると、驚きと焦りが混ざったような顔でこちらを振り返る男子たち。
「空手を少々嗜んでおりまして?護身術をちょっとだけかじった程度ですが。」
そこで少し口角を上げて不気味に言って見せる。
「まだ怪我したいかな?」
「う、うわあああ…」
と、我武者羅に逃げていくチャラ男たち。
「全く…あ、美奈子!!大丈夫!?」
「だ、大丈夫…すごいね、美久は。ありがとう。」
「いえいえ!美奈子のためならなんでもするよ!というか、最初ぶつかって来たのによろけちゃってごめん…」
「そんなこと気にしなくていいって、全く完璧主義なんだか…」
「えへへ、まあ、完璧主義は違うと思うけど…」