妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 相対する森同士の戦いで傷ついた猫たちをカテリアーナとカルスが中心になって手当てを行なった。トランクに詰めてきた薬草を次から次へと取り出すカテリアーナの手元をカルスが興味津々に見ている。

「これはオオヨモギにクマツヅラですね」
「ええ。さすがですね。乾燥させてあるのに分かりますか?」

 オオヨモギは止血、クマツヅラは痛み止めの効能がある。薬草は乾燥させてしまうと、ただの枯れ草にしか見えない。

「私は半分ケットシーですので、匂いを嗅ぎ分けることができるのですよ」
「猫は嗅ぎ分けができるといいますものね。あ! 申し訳ございません。ケットシーでしたね」

 妖精猫であるケットシーをただの猫扱いしてしまったことにカテリアーナは謝罪する。
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