妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
このトランクはノワールから贈られたものだ。嫁入り道具が全くといっていいほどないカテリアーナだが、いろいろと持ち出したいものがあった。だが、それらの荷物を持っていくには、大きい衣装箱が必要だ。
エルファーレンとの国境からは、一人で荷物を持っていかなければならないことを考えると衣装箱は無理だった。ノワールに相談したところ、このトランクをくれたのだ。
古びた皮で作られた小さなトランクは不思議なことに何でも入った。組み立て式といえども、とても入りそうにない弓も楽々と収納できたのだ。取り出す時にはカテリアーナの意思に答えるように欲しいものが出てくる。
「ねえ、ブチ猫さん」
「イアンだ」
「え?」
「俺の名前だ」
ぷいとそっぽを向いたブチ猫イアンが名乗ってくれたことがカテリアーナは純粋に嬉しかった。
「わたくしはカテリアーナよ。カティでいいわ」
エルファーレンとの国境からは、一人で荷物を持っていかなければならないことを考えると衣装箱は無理だった。ノワールに相談したところ、このトランクをくれたのだ。
古びた皮で作られた小さなトランクは不思議なことに何でも入った。組み立て式といえども、とても入りそうにない弓も楽々と収納できたのだ。取り出す時にはカテリアーナの意思に答えるように欲しいものが出てくる。
「ねえ、ブチ猫さん」
「イアンだ」
「え?」
「俺の名前だ」
ぷいとそっぽを向いたブチ猫イアンが名乗ってくれたことがカテリアーナは純粋に嬉しかった。
「わたくしはカテリアーナよ。カティでいいわ」