妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
2-7
カテリアーナはイアンに尋ねたいことがあった。
「ねえ、イアン。カルス様のことをマッドサイエンティストと呼んでいたわよね? どうしてなの?」
「あのカルスってやつはな。薬学と魔法の実験をするのが好きなんだが……ふぎゃ!」
イアンがカテリアーナの後ろを見て急に悲鳴を上げたので、振り返るとカルスが立っていた。絶対零度の冷気を纏っているかのように見える。いい笑顔をしているのが、なおさら怖さを引き立てていた。
「私が何ですか?」
「何でもありません! すみません!」
イアンの全身の毛が逆立っている。余程怖かったのだろう。
「それより、君はこの方への言葉遣いに気をつけろ」
「カティか? 何者なんだ?」
「気安く我が妃を愛称で呼ぶな」
いつの間にかイアンの後ろにフィンラスが立っていた。不機嫌そうにイアンを見ろしている。
「妃!? カティじゃなくてカテリアーナ……様が? 国王陛下の妃!?」
前にはカルス、後ろにはフィンラス。国のトップに睨まれて、イアンは今にも気絶してしまいそうだ。
『前門の虎、後門の狼』とはまさにこのことだ。
「ねえ、イアン。カルス様のことをマッドサイエンティストと呼んでいたわよね? どうしてなの?」
「あのカルスってやつはな。薬学と魔法の実験をするのが好きなんだが……ふぎゃ!」
イアンがカテリアーナの後ろを見て急に悲鳴を上げたので、振り返るとカルスが立っていた。絶対零度の冷気を纏っているかのように見える。いい笑顔をしているのが、なおさら怖さを引き立てていた。
「私が何ですか?」
「何でもありません! すみません!」
イアンの全身の毛が逆立っている。余程怖かったのだろう。
「それより、君はこの方への言葉遣いに気をつけろ」
「カティか? 何者なんだ?」
「気安く我が妃を愛称で呼ぶな」
いつの間にかイアンの後ろにフィンラスが立っていた。不機嫌そうにイアンを見ろしている。
「妃!? カティじゃなくてカテリアーナ……様が? 国王陛下の妃!?」
前にはカルス、後ろにはフィンラス。国のトップに睨まれて、イアンは今にも気絶してしまいそうだ。
『前門の虎、後門の狼』とはまさにこのことだ。