妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 気絶しそうなイアンに助け舟を出そうと、カテリアーナはコホンと可愛らしく咳払いをする。

「まだ妃ではありません。それに愛称で呼ぶのを許したのはわたくしですわ」
「今さら敬語を使う必要はないぞ。俺の正体はバレたのだから」

 フィンラスはノワールと同一人物だった。ノワールの姿の時、カテリアーナは友人だと思っていたので親しい話し方をしていたのだ。カテリアーナは開き直ることにした。

「ノワール。じゃなかった。フィンラス様」
「フィルでいい。俺の愛称だ」
「では、フィル。聞きたいことが山ほどあるわ」
「王都までの道のりはまだ遠い。何でも答えてやろう」

 ふと、ツリーハウスから嫌な視線を感じたカテリアーナは反射的に弓に矢を番え、放った。

「カティ! どうした? なぜ矢を放った?」
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