妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 エルファーレン王国の国王一行がルゥナの森を去ってくのを男は木の上から見つめ、舌打ちをする。

 ルゥナの森とソゥレの森の猫たちは全て連れていかれた。

「猫のくせに中々頭が切れる国王だ。妖精の国で賢王と呼ばれるだけのことはある。それに『取り替え姫』め! 忌々しい小娘だ」

 完全に気配を消していたのに、カテリアーナは矢を放ってきたのだ。怒りを紛らわせようと男は爪を噛む。

「決めた! 生かしておこうと思ったが『取り替え姫』は消えてもらおう」

 男はにたりと微笑む。
< 110 / 203 >

この作品をシェア

pagetop