妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 子猫は被毛が薄いので、親猫が毛づくろいをする。カテリアーナは母猫のような気持ちになっていた。

「フィル。聞きたいことが山ほどあると言ったことだけれど……」
「分かっておる。王宮についたら時間を取ろう。こやつらが聞き耳を立てているうちは話さぬ方がよかろう」

 フィンラスは座席の下で眠っている子猫たちをじろりと睨む。イアンと仲間たちの体がびくっと跳ね震えだした。

「あら? ぷるぷるしているわ。可愛い」

 イアンたちが眠りながら、夢を見てぷるぷる震えていると思っているのはカテリアーナだけだった。
< 113 / 203 >

この作品をシェア

pagetop