妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 背の高いドラゴンに乗るには、階段がついた台を上る必要がある。フィンラスにエスコートをされながら、カテリアーナは台へと上がった。

「高いのですね」
「怖いか? ああ、カテリアーナは木登りが得意だから高いところは平気か」
「最近は木登りしておりません!」

 フィンラスがからかうので、カテリアーナはむくれる。

「ははは。冗談だ。俺が先に騎乗するから、カテリアーナは少しここで待っていてくれ」

 そう言うと、フィンラスは身軽にドラゴンへ飛び乗る。

「さあ、ゆっくりと俺に手を伸ばせ」

 言われたとおり、カテリアーナはフィンラスへ手を伸ばす。フィンラスの手を取った瞬間、浮遊感に襲われたかと思うと、あっという間にドラゴンの背に乗せられていた。
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