妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 最後に目にした時と変わらない佇まいだ。いや。カテリアーナがノワールと過ごした家から少し離れた場所にあらたな建物が建っている。

 建物から見慣れた顔が姿を現す。ルゥナの森のリーダー、イアンとソゥレの森のリーダー、ロイと仲間たちだった。

「イアン! ロイ!」
「カティ……いや。カテリアーナ様」

 フィンラスにぎろりと睨まれて、イアンはカテリアーナの名を呼びなおす。

「姐さん、久しぶりです」

 ロイからはなぜか「姐さん」と呼ばれてカテリアーナは首を傾げる。

「二人とも久しぶりね。元気そうで何よりだわ。それよりどうしてここに?」
「国王陛下からここでの労役を命じられまして」

 知らなかったこととはいえ、『悪しきマタタビ』を市場に流してしまった罰だという。

「それは罰と言えるのかしら?」
「国王陛下の恩情には感謝してるんだ。カテリアーナ様の大切な場所を守れるんだからな」
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