妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 見渡すと、カテリアーナが育てていた野菜や薬草はしっかり手入れがされている。

「ありがとう、皆。わたくしの大切な場所を守ってくれて」

 イアンやロイたちの行方が気になっていたカテリアーナは、ほっとすると同時に彼らに感謝する。

「じゃあ、仕事があるから俺は行くわ。またな、カテリアーナ様」
「陛下と姐さんには後ほどお茶を持っていかせますんで」

 イアンとロイは頭を下げると、畑に駆けていく。

「ありがとう、フィル。彼らを保護してくれたのでしょう?」
「あやつらを元の場所に帰して死なれては寝覚めが悪いからな」

 ルゥナの森とソゥレの森の猫たちは命を狙われる危険があるのだ。『悪しきマタタビ』ことマタタビモドキを彼らに売った人物がいる。
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