妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 しばらく、二人の間に沈黙が流れる。先に切り出したのはカテリアーナだった。

「フィルに聞きたいことは一つよ。なぜエルファーレンの国王である貴方がラストリアにいたの?」
「ケットシーという種族は諜報活動が得意なのだ」
「は?」

 フィンラスの言わんとしていることが分からず、カテリアーナは間抜けが声が出てしまう。

 普通の猫のふりをすることで怪しまれずどこでも入り込めるので、ケットシーほど諜報活動に向いた種族はいないという。身が軽く、夜行性のケットシーは人目につかず情報集めをするのが得意だそうだ。

「カティと初めて会った時、不覚にもあの森の狼に襲われてしまってな。何せ妖精は人間の国では言葉は話せないし、ろくな魔法も使えない。何とか逃れたはいいが、動けなくなって木の根元に(うずくま)っていた。そして、カティが見つけてくれたというわけだ」
「そうだったの。……待って! どうして国王のフィルが諜報活動をしているの?」
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